

片頭痛といえば大人の悩みと考えられがちですが、実は子どもにも片頭痛が起こることがあります。
子どもの片頭痛は成人の片頭痛と比べて特徴が異なる場合が多く、親御さんが気付きにくいことが少なくありません。
この記事では、子どもに片頭痛が起こる原因や症状、そして適切な対応について詳しく解説します。
子どもの片頭痛の特徴
子どもの片頭痛は、頭の片側だけでなく両側に痛みが広がることがあり、痛みの持続時間も大人に比べると短い傾向があります。
また、頭痛に伴って吐き気や嘔吐、光や音などに対する過敏性が見られることが多いです。
さらに、子どもは症状を正確に伝えられないこともあるため、頭痛に加えて機嫌が悪くなったり、普段と違った行動をしたりする場合は、片頭痛の可能性を考える必要があります。
子どもの片頭痛の原因
子どもの片頭痛の原因として、遺伝的要因と環境的要因が挙げられます。
親のどちらかが片頭痛を持っている場合、子どもも片頭痛を発症しやすい傾向があります。
また、ストレス、天気の変化、疲労、睡眠不足、特定の食品の摂取などが片頭痛の誘因となることもあります。
思春期になると、女の子では月経に関連した片頭痛発作が増えることもあります。
医療機関に受診した方がよい場合
子どもの頭痛が頻繁に起こる、または日常生活に支障をきたすようであれば、医師に相談することをおすすめします。
特に以下の症状で、頭痛が日常生活の質を大きく損なっている場合は、早めの受診が推奨されます。
- 平日・休日を問わず、1-2時間以上続く頭痛が月に数回以上の頻度で起こる
- 頭痛に伴う吐き気や嘔吐が強い
- 頭痛時に光や音に対する過敏が強い
- 頭痛が原因で学校を欠席することがある
- 月経に関連した頭痛発作がひどい
- 台風や梅雨などの気候の影響で頭痛発作が悪化する
診断方法
頭の中に頭痛の原因となるものがないか確認するために、一度はMRI検査を行います。
MRIでは脳そのものに異常がないか確認すると同時に、頭痛の原因となる副鼻腔炎に関しても評価できます。
必要に応じてMRAという脳血管の検査も同時に行うことがあります。
ただし、MRI検査は特殊な検査なので、近隣の病院にお願いして撮影して頂きます。
治療
子どもの片頭痛の治療は、まず生活習慣の改善を行います。
具体的には、十分な睡眠、規則的な食事、適度な運動、スマホなどを長時間連続して使用しないことなどです。
ただし、それでも頭痛が改善しないことも多く、鎮痛剤などによる薬物療法も行います。
治療薬には種類が多く、使う目的によっても薬が異なるので、使い方には注意が必要です。
また、どのような頭痛がどのタイミングで生じているか確認するため、「頭痛ダイアリー」をつけることも大切です。
その結果をみて、片頭痛の誘因を避けたり、適切に薬を使用したりするなど、自分で頭痛のコントロールがしやすくなります。