発熱について

子どもに熱がある?

もともと子どもは熱を出しやすいものです。

お昼寝から起きたとき、外から帰ってきたときなどにも少し体が熱くなります。

なんだか熱っぽい?と感じても、慌てずにまず体全体の様子を観察しましょう。

入浴直後や、ごはんの後、泣いたり運動したりした後は体温が普段より高めになることがありますので、落ち着いて静かにしているときに再度体温を測るようにしましょう。

もし、38.5℃以上の発熱が続き、ぐったりして水分摂取も難しいときは注意が必要です。

しばらく様子を見ても良い場合

  • 水分を飲めて、食事も少しずつ食べている
  • 夜しっかり眠れている
  • あやすと笑う
  • 遊んでいる
  • 機嫌がそれほど悪くない
  • 呼吸が苦しそうではない

上記のような場合には、すぐに受診せず少し様子をみましょう。翌日の朝に小児科を受診してください。

早めに救急外来への受診が勧められる場合

  • 生後3カ月未満の赤ちゃんで、38℃以上の発熱が続いて機嫌が悪い
  • 水分を飲まない、おしっこの量や回数がいつもより目立って少ないなど脱水傾向がある
  • 半日以上おう吐を繰り返している
  • けいれんを起こす
  • 顔色が悪い
  • ぐったりして起きない
  • 呼吸の様子がおかしい、又は呼吸を苦しそうにしている

子どもが上記のような状態の場合には、救急病院に問い合わせて、救急受診するかどうか相談してください。

熱が出たときの対処法

まずは体温を確認して、体全体の様子を観察してください。

熱の状態と、熱以外に先に書いた症状について確認しましょう。

その上で、できるだけ水分補給をこまめにしながら、必要に応じて解熱剤を使ってください。

アイスノンや氷枕そのものに解熱効果はあまりないですが、冷やすことで心地良いと感じているようでしたら使ってください。

そのまま様子をみられそうなら、翌日の朝に小児科を受診してください。

注意点

解熱剤を使いながら、体力の消耗と脱水を防ぐために、できれば経口補水液などの水分や口当たりが良く摂りやすいものを少しずつこまめに与えてください。

ただし、下痢や嘔吐がみられるときは、水分を優先して、食べられるようなら消化の良いものを与えるようにしてください。

発熱に関するよくある質問Q&A

高熱は何か重い病気のサインですか?

熱が高いからといって、それだけで重い病気であるとは限りません。

熱が高くても、機嫌や活気、食欲などが比較的良好であれば、重症でないことが多いです。

高熱が続くと脳に良くないのではないでしょうか?

幼児の場合では通常の風邪でも39℃を超える熱が出ることはありますが、それだけで脳の細胞や知能などに障害を与えることはありません。

熱が出たら早く原因を特定するほうがいいでしょうか?

発熱の原因は様々であり、熱が出始めたときに原因を特定することは難しいことがあります。

発熱してから、数日のうちにその他の風邪症状がみられるようになることも多く、ようやく診断できることも少なくありません。

症状の変化に注意して観察することが大切です。

熱はすぐ下げたほうが良いでしょうか?

風邪の時に発熱しているのは、体に侵入してきたウイルスや細菌などに対して体を守るために免疫細胞が戦っている証拠で、これは正常な体の反応です。

基本的には38.5℃以上でしんどい時に解熱剤を使用しますが、機嫌や経口摂取が比較的良い場合は、すぐに解熱剤を使う必要はありません。

解熱剤はどのように使えばいいでしょうか?

熱が38.5℃以上で水分や食事を摂取しにくい時や眠りにくい時、発熱とともに頭痛など痛みが強くなってしんどい時などに使いましょう。

6時間あければ、繰り返し使うことは可能です。

解熱剤は風邪に対する根本的な治療薬ではないですが、一時的に熱を下げることによって水分や食事を摂取しやすくしたり、眠りやすくしたりするために使うと考えてください。

解熱剤を使用しても熱が下がりません

39℃近い発熱がある場合は、解熱剤を使用しても36℃台まで解熱しないことがあります。

たとえ1℃程度でも解熱していれば、解熱剤としての効果は出ていると考えてください。

通常の風邪でも発熱は2~3日続くことが多です。

高熱が繰り返しみられ、ぐったりして水分摂取もできなくなるようであれば、再度受診して相談して下さい。

熱があるときには入浴はしない方がいいですか?

熱が37℃台でも、比較的機嫌が良く、食欲もあるようでしたら、短時間のシャワーや入浴をしても問題はありません。

原則38.5℃以上の高熱が続くときは入浴を控えましょう。