

夜尿症とは、夜寝ている間、知らないうちに尿を漏らしてしまうことです。
おねしょとの違い
夜尿症とおねしょはどちらも、夜寝ている間に無意識に排尿してしまう点では同じです。その違いは年齢にあります。
夜尿症は小学校入学前後になってもおねしょが続き、生活指導やお薬による対策が必要であると判断された場合に使われる名称です。
原因
夜尿症の原因は、寝ている間に作られる尿の量と、それをためておく膀胱の大きさのバランスが取れていないことがまず挙げられます。
寝ているときに膀胱がいっぱいになった時「おしっこがしたい!」と起きることができれば、おねしょを防ぐことができますが、起きることができないということも、おねしょが続く原因と言えます。
他にも、便秘・無呼吸を伴うようないびき・睡眠障害などが原因になっている場合もあります。
治療
まず、治療を開始する目安ですが、小学生になる前後の年齢になって、本人が夜尿を治したいという意志がしっかり出てきてから開始するのが理想的です。
というのも、夜尿の治療には長い時間がかかりますし、忍耐力も必要とすることが多いからです。
なんとなく開始しても、治療を続けられなくて、知らないうちに治療がおろそかになってしまうことがよくあります。
前もってご家族で話し合って、しっかり治療を頑張ろうという気持ちを確認するようにしましょう。
夜尿症には、薬などを使わないでできる生活指導が、初めに行われます。
具体的には、1日の塩分摂取を制限する、夕食以降の水分摂取をコップ1杯までとする、などが挙げられます。
また、元々便秘がある場合は、先に便秘の治療をしっかり行います。
それでも改善しないときは、夜間にできる尿の量を減らす治療やおしっこがいっぱいになった時に起きられるようにする治療を追加します。
お薬による治療
抗利尿ホルモン薬で夜間に作られる尿量を減らしたり、抗コリン薬で膀胱がより多くの尿をためられるようにしたりします。
比較的短時間で効果は得られやすいですが、内服を止めると再発しやすい欠点もあります。
アラーム療法
寝る前に専用のセンサーをパンツやおむつに付けて、夜尿を感知した際にアラームで起きるように促して、トイレに行くという習慣を促していきます。
アラームには音・振動などの種類があります。この治療は即効性がなく、改善するまでに時間がかかります。
また、本人とご両親の協力が不可欠で、手間もかかる治療のため、忍耐力が必要です。
しかし、一旦改善すれば、再発しにくいという良い面もあります。
ご両親へ
夜尿症はお子さんにとって恥ずかしいと感じる病気です。
精神的に負担になってしまうことがありますので、治療の際にはまわりの大人たちの接し方がとても重要になってきます。
改善を焦ったり、うまく効果が出ないからといって怒ったりしないようにしましょう。
それよりも、少しでも改善できたら必ずほめてあげて、しっかりサポートしているという安心感を与えてあげましょう。